先日の記事「東南アジアの不動産に興味が持てない理由」でも書きましたが私は東南アジアの投資には否定的な考えを持っていると思います。
理由は先日の記事でも書いた通り、法整備がしっかりしていない、政情、治安、通貨が不安定であることを書きましたが、親しかった友人が騙されたのも理由の一つです。
親しい友人が騙された話なので、記事として書いていいものかも悩みましたが、自分自身の注意喚起のためにも内容を少しボカシて書いてみたいと思います。
所有権があいまい
その親しい友人とは当時、投資の情報交換をしていました。
そして、フィリピンが物価が安いとのことで興味があったらしく、永住権を取ったと嬉しそうに話していたのを覚えています。
私も詳細は分かりませんが、当時2万米ドルをフィリピンに投資すれば永住権がもらえたようです。
その後、永住権が無事に取れたので自身が住むことを目的にフィリピンに不動産を購入したとのことでした。
しかし、その不動産の仕組みについて聞いてみると次の通りで、不可解なことばかりでした。
①物件は現地の会社が1棟購入し名義もその会社とする。
②その1棟のうちの1室を永久に使用できる権利をその会社から購入する。
私が不可解に思ったのは
①所有権が現地の会社の物なので大丈夫なのか?
②1室を永久に使用できる権利って何?
特に②は現地の会社が倒産してしまったらどうなるかわかりません。
悪い予感が的中
1年くらい後に、私の悪い予感は的中してしまいました。
友人曰く現地の会社が倒産し、その物件自体に入れなくなってしまったとのことでした。
永住目的だったので部屋には生活用品もたくさんあったようでした。
そして一番気になったのは、友人が購入した部屋に住む権利。
現地の会社が倒産と言うことで返金は難しいとのことでした。
この不動産購入について、冷静になって考えれば怪しいと思うのですが、販売業者もプロなので言葉巧みに友人も騙されてしまったのだと思います。
この友人以外にも、日本人が何人か騙されたらしく、裁判を現地で起こすと言っていました。
そのため、友人は何回か裁判の為にフィリピンへ渡航しているようでした。
しかし、現地での裁判となると日本人は所詮外国人ですし、法整備もしっかりしていない国なので友人達が勝つことはほぼ不可能のようでした。
その後ですが、裁判の行方はどうなったかは私もわかりません。
おそらく、支払ったお金は帰って来ず、泣き寝入りになったと思います。
複雑
この不動産購入について、冷静に考えれば怪しいと書きましたが、所有権も複雑だったと思います。
不動産は「物件、土地の所有者」=「本人」という構図が一番シンプルで単純明快だと思います。
この間に第3者が入ってくると契約を別途結ぶ等、複雑になってくると思います。
そして購入後に何もなければ良いのですが、トラブルが起これば、第3者が関わる分、非常に面倒になります。
権利関係が複雑で理解するのが難しそうと感じた時点で手を引くべきなのかもしれません。
また、フィリピンのような東南アジアの国は「法治国家」ではなく「人治国家」のような一面もあると思います。
法律で不動産購入者に有利なことが書かれていても、現地の役人の気分次第で、法律の解釈が白にも黒にもなる国だと思います。
場合によっては、法律に則ったことをやっているにも関わらず、多額の賄賂を求められるかもしれません。
なので、現地の業者、行政関係者と言った複雑な人間関係にも気を遣わなくてはならないところもあると思います。
不動産投資の話ではありませんが、マニラ空港では入国の時に賄賂を求められたなんて話も耳にします。
以上より、特にフィリピンには良いイメージがありません。
もちろんフィリピンをはじめ、東南アジアの国で投資やビジネスをうまくやっている方もいると思います。
しかし、身近なところでいい話はほとんど聞かないので、東南アジアの国での投資にはどうしても肯定的にはなれません。
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